寝屋川事件と防犯カメラ

AS20150818003729_comm二人の幼さが残る男女中学生が殺害された凄惨なこの事件。防犯カメラの画像によって容疑者が特定され、過去の犯罪歴との類似性からして、犯行は間違いないと思われていますが、ちょっと一筋縄ではいかない点があります。車内で被害者の微量の血痕が発見されましたが、殺人罪の立件には、犯人の関与を合理的に証明する必要があります。今回はこれが曖昧で、犯人が黙秘を貫いている状況では手詰まりになり兼ねません。防犯カメラに頼り過ぎた捜査は、本質的な弱点を持っています。それは、人間のように、全体を見回し好奇心に基づき追尾するということが防犯カメラにはできないため、目の前の画像以外に何も無いという現実です。確かに、犯人逮捕には重要な役割を果たした防犯カメラですが、今後の進展には、地道な人間系の活動が何より必要だと思われます。